国際先導研究

研究概要

本国際先導プロジェクトは、タンパク質・脂質・核酸機能の鍵を握る「超硫黄分子」の生体内動態を、①生化学・分子生物学的原理の解明(カロリンスカ研究所 E. Arnerやハンガリー国立がん研究所 P. Nagy教授と連携)、②量子化学理論・高感度イメージング・化学プローブ開発(サウサンプトン大学 M. Feelisch教授やワシントン州立大学 M. Xian教授と連携)、③超硫黄による生体恒常性制御と疾患応用(ハーバード大学F. Ichinose教授、バーモント大学 A. van der Vliet教授と連携)というミクロから個体まで多階層・包括的に追究するものである。具体的には、超硫黄の分子間移動機構を定量的に記述し、その量子力学的記述を統合して可視化・操作技術を確立するとともに、得られた知見を用いてエネルギー代謝障害や酸化ストレス関連疾患の新規診断・治療法の創出を目指す。世界有数のセレン・硫黄生化学拠点や量子化学・化学プローブ開発の第一人者、高い疾患応用実績を有する研究者が結集する本体制により、超硫黄分子研究のパラダイム転換と国際競争力強化、ひいては我が国のライフサイエンス研究基盤と産業創出に大きく寄与することが期待される。